前編では、「知識社会」においてさらに重要性を増すITとともに、それを管理統制するITガバナンスもまた重要視されなければならないことを紹介した。そこでは、事業ごとの分散マネジメントや、蓄積したコアコンピタンスのナレッジを細分化し、ビジネス業務単位で管理することが必要となる。その中で、アウトソーシングは重要な戦略になる。
今回はその後編で、アウトソーシングを導入した2つの成功事例を紹介する。1社はメインフレームからオープン系への基幹システムの移行で、準備期間に1年以上を費やしてサービススタートした例。もう1つは、情報子会社の経営効率化を目指し、2年間のジョイントベンチャー契約の中で検討した例である。2つの事例は、事業内容も、導入目的やサービス内容も、アウトソーシングの形態もまったく違う。
しかし、「競争社会を勝ち抜くために企業はどうあるべきか」という根本的な目的は一致している。そのうえで、どちらの企業も経営者層が共通のビジョンを持ち、目的と方向性を社内に浸透させて実施できたことが、成功の大きな要因となっている。
それはまた、対応するアウトソーサーとの間でも言えることであった。アウトソーシング導入企業のビジョンや目的を、アウトソーサーが十分に理解し、いかに柔軟に対応できるかは、十分な相談と検討ができて初めて可能になる。つまり、アウトソーサーとのパートナーシップの構築がもう一つの成功要因であった。 |