21世紀に入り、IT(情報技術)の導入は、電気・科学業界、情報関連業界や先進企業などに限らず、あらゆる企業に浸透している。それは経営者が、自社の生産性や収益性を向上させたいと期待し、積極的にITに投資している結果である。そしてそれに関わるコストは、大規模ITプロジェクトの場合で約2,000万ドル(約20億円)に達することも調査から判明している。
しかし、2,000万ドルがすべて、ハードウェアやソフトウェアにつぎ込まれたわけではない。その9割は人材教育やビジネスプロセスの構築費など、投資ではなく経費として使われていた。本当のIT投資部分は実は氷山の一角でしかなかったのだ。
しかも、多額の費用をかけてもすぐに最高の導入効果が望めるわけではなかった。導入で効果を上げている企業には、他の競合企業と違う、業務慣行が存在した。
成果を上げている組織が実践する業務パターンを「デジタル組織」、慣習を「七つの実践事項」と定義し、実施状況を調べた結果、一部だけの採用・実施では、逆効果を招くことも明らかになった。
実践企業の事例などをふまえ、ITを導入し、生産性と収益力の向上を目指すデジタル組織の確立について考えてみた。
またデジタル組織を推進するコストの多くが、実は経費扱いされているビジネスプロセスの構築や人材教育などの組織的資産である点についても再考する。 |